整体師は、整体の知識と技術を持ってあらゆる場所で活躍しています。
オフィスワークやテレワークが増えて、体のゆがみを気にする方が増えてきており、整体師に対する需要は今後ますます増えてきそうです。
整体師はどんな仕事なのか、どんな職場があるのか、必要となる資格などについて解説していきます。
整体師はどんなことをする?
整体とは、骨格や関節のゆがみを矯正するための施術を患者に対して施す作業のことです。整体の技術や知識を持って実際に施術する人のことを整体師と呼びます。
近年、整体のサービスを求める需要は大変高くなっています。
例えば会社員の方は、デスクワークが非常に増えてきているため、同じ姿勢を長時間継続しないといけないケースが多いです。
ずっとデスクに座って事務作業を継続していると、姿勢が悪くなって骨格にゆがみが生じてしまいがちです。
また、パソコン作業を継続していると、自然と猫背になってしまうケースも多く、どんどん姿勢が悪くなってしまいます。
そこで活躍するのが、整体のサービスです。
整体では、長時間かけてゆがんでしまった骨格や関節の矯正をしてくれます。
身体のゆがみは、見た目が悪くなるだけではなく、身体の健康にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
内臓を圧迫することで内臓機能を低下させたり、神経系・伝達系に影響が及び心身に異常をきたす可能性があったり、血行の不良により疲れやすさや頭痛・吐き気を感じることなどが挙げられます。
整体師になるにはどうすればいい?
整体師になるためにはどうすればいいのでしょうか。
実は、整体師に関連する資格はたくさんありますが、整体師として従事するために必須となる資格は存在しません。
無資格でも、整体師として依頼者の体をほぐしたり強制したりする行為をすることは可能です。
しかし、現実的に無資格の方が整体師として従事することは難しいものがあります。
整体師として雇用されるにしても、自分で開業をして整体サービスを提供するにしても、資格がないと客観的な信頼感に欠けます。
整体院などで雇用されるにしても、自分で開業をして営業するにしても、無資格の整体師のところに依頼が来ることは現実的に考えられません。
したがって、整体師になるには関連の資格を取得することをおすすめします。
資格取得の際に、あらゆることを学ぶことになります。
人体の構成や筋肉、骨格に関する知識、骨格の矯正をするための技術、神経系の仕組み、血液の循環についてなど、整体の知識と技術を高め、業として整体の仕事に従事するためには様々な分野のことを知り、身に着ける必要があります。
他人の身体に直接触れ、施術していくことを考えると、大きな責任を負った仕事です。
どれだけ知識があっても多すぎることはないと考え、貪欲に技術を身に着けていく向上心がないと、継続して従事することは難しい職業です。
整体師として活躍する場所と仕事内容とは?
整体師として従事する場所は意外にたくさんあります。
整体院のような専門クリニックなどはもちろんのこと、他にもたくさんの勤務場所があり、様々なシーンで活躍しています。
整体師になった場合に勤務する場所や形式について、主なものを以下に5つ紹介します。
- 整体院・カイロプラクティック院
- フリーランスのスポーツトレーナー
- ビューティーサロンなど
- 介護施設など
- 独立開業
整体院・カイロプラクティック院
整体師の勤務先として最も多いのが、整体院やカイロプラクティック院です。
整体院やカイロプラクティック院を利用する患者は、主に腰痛や肩こり、関節痛など実際に何らかの症状が出ている方が多いです。
症状の治療や緩和を目的にして訪れる方が多く、直接的にトラブルの要因になっている要素の除去を第一の目的に、施術を行なうケースが多いです。
整体院は東洋医学を基礎としており、より直接的に痛みや不具合が起こっている身体の個所を矯正していくのに対し、カイロプラクティック院は西洋医学を基礎としていて、トラブルの要因を見出し、その要因を改善しつつ、全体的にバランスよく体全体の矯正を行っていきます。
いずれにしても、医院によって治療の方針や施術手段には違いがあります。
整体師として整体院やカイロプラクティック院で働きたい方は、自分の考える整体の方針と勤務する医院の方針があっている方が、ストレスなくやりがいをもって施術に臨めます。
雇ってもらう前に、何度か医院を訪れて施術を自分で受けてみて、方針とあっているかどうかをチェックしてみることをおすすめします。
フリーランスのスポーツトレーナー
整体師の職場としては、特定のプロスポーツ選手の専属トレーナーとなるなど、フリーランスのスポーツトレーナーとしての道も開けています。
仮に世界的なトッププレイヤーの専属トレーナーになったとしたら、その選手が行く場所に同行して整体施術を行うことになります。
また、特定の選手と契約を結ぶだけでなく、チームとの契約を交わし、そのチームに所属する選手に対して整体施術を行なう形式もあります。
スポーツトレーナーとして活躍するためには、契約した選手やチームのことを一番に理解する必要があります。
選手の身体の特徴やウィークポイントをしっかりと理解し、最も念入りに施術すべき個所を把握しながらバランスよく施術を行っていく必要があります。
また、施術そのものに加え、選手それぞれに合った日常生活の過ごし方や、正しいトレーニングの仕方などをアドバイスしていく立場でもあります。
契約した選手やチームの状態を大きく左右する重大なポジションで、責任は大きくともやりがいがあり、人気のある仕事です。
ビューティーサロンなど
最近は、女性が主に利用するビューティーサロンなどの美容・ダイエット系のサロンに整体師が所属して活躍することも多くなっています。
ビューティーサロンなどでの整体師の役割は、身体の痛みの緩和やゆがみの矯正よりも、疲労回復やリラクゼーションを利用者にもたらす方が重要になっています。
ターゲットは主に女性であるため、整体師のほうも女性が務めることが多い仕事です。
整体技術というよりは、マッサージなどよりリラクゼーション効果を主眼に置いた施術を行っていくことに特徴があります。
サロン内の内装にもこだわり、よりリラックスできる環境を整えることも重要なポイントになるため、センスがものをいう仕事といえます。
介護施設など
整体師は、老人ホームやデイサービスの業者など、介護サービスの施設で働くことも多いです。
介護施設での勤務の場合は、主にリハビリ目的の施術が中心になるケースが多いです。
このため、整体の知識や技術に加え、理学療法的な知識と技術を持っているさらに重宝される仕事となります。
今後、さらに高齢化が進んでいくと予想されている中では、非常に将来性のある職場と考えられます。
独立開業
自身で独立して整体院などを開業し、運営していく選択肢もあります。
ただ、いきなり開業をして整体院を開いても、なかなかうまくいくものではありません。
整体の技術と経験をしっかりと積んで、患者に認められない限り、なかなか安定して患者を集められません。
また、単に整体の施術をすることだけではなく、開業した医院の運営面や、他のスタッフの管理及び育成なども行っていく必要があります。
整体に対して枯れることのない情熱とやる気を継続して持ち続けられる人に適した働き方です。
整体師に向いている人
整体師として仕事に従事する方の適性とは、どのようなものがあるのでしょうか。
整体の技術や知識が十分にあることは当然のことですが、整体師に向いている性格、向いていない性格などもあります。
整体師に向いている人の性格や性質について紹介します。整体師を目指す方は、自分に向いている仕事かどうかを判断するために参考にしてみてください。
整体師という仕事は、依頼者の体に直接触れて施術を行っていくため、施術自体の技術や内容に加え、コミュニケーション能力や他人を思いやれる気持ちが必要になります。
以下に、整体師に向いている人の主な特徴を5つ紹介します。
- 奉仕精神が大きい
- 勉強熱心で向上心がある
- 体力・精神力に自信がある
- 人と会話することが好き
- 整体の効果を経験している
奉仕精神が大きい
整体の仕事は、奉仕精神が高くないと、良い内容の施術はできません。
もちろん仕事なので、整体師の仕事でたくさんの患者を看て稼ぎたいと考えることは間違いではありません。
しかし、良い整体師となるためには、患者に対して奉仕する気持ちが必要です。
「患者一人一人に合った効果的な施術とはどんなものか」、「この患者の症状を少しでも良い方向にもっていきたい」といった気持ちを持ちながら臨まない限り、良い整体師にはなれません。
勉強熱心で向上心がある
良い整体師になるには、常に向上心があり、勉強する苦労をいとわない気概を持っていることが重要です。
症状や適切な施術方法は患者によって異なるので、患者一人一人に合った施術とはどのようなものか、常に思考を止めない気持ちが必要です。
また、整体の技術や知識は常に進化していきます。
ずっと同じ施術方法、方針を継続していては、患者に対して最善の施術を施しているとは言えません。
常にアンテナを広く張り、新しい施術内容や方針を積極的に取り入れる向上心がある整体師のほうが、患者から信頼されることでしょう。
体力・精神力に自信がある
整体師の仕事は、体力を非常に使います。
一日中多くの患者に対して施術を行っていきます。施術は、内容にもよりますが、力を必要とするものも多く、肉体的な疲労を伴うことも少なくありません。
また、患者一人一人に対して真剣に向き合い、最善の施術を施せるよう努力することは、精神的な疲労を伴います。
整体師としての仕事を十分にこなすためには、肉体的な体力に加え、精神面の強さも兼ね備えている人のほうが適性があります。
人と会話することが好き
整体師として仕事をする際に、単に整体の施術をこなしているだけで良いというわけではありません。
一定時間を患者と相対して施術を行うことになるため、会話などのコミュニケーションは必要です。
施術中、身体のゆがみや疲労を取り除きながら、自然な会話をすることで精神面でもリラックスを得られると、施術効果は倍増します。
特に個人開業の場合や専属トレーナーのような形式の場合は、患者や利用者から評価されることも重要です。
豊富な整体の知識を持つことに加え、教養ある人間としてコミュニケーションを取りつつ施術をする能力があった方が、より評価してもらえるでしょう。
整体の効果を経験している
患者などに整体の施術を施すのが整体師の仕事ですが、自身も整体を受けた経験があった方がよいです。
自身の身を持って整体の魅力や効果を理解していたほうが、患者に対してより整体施術の良さを伝えられます。
自身の体験談として患者に語りかけることで、患者側も安心感や信頼感を持って施術を受けられるようになります。
整体師を目指そうと考える方は、ぜひ自身も整体院などを利用して、その効果や魅力を身を持って体験してみてください。
整体師の代表的な資格を紹介
整体師として仕事をするためには、必須の資格はありません。
しかし、全くの無資格では現実的には整体師として仕事をしていくことは難しいです。
整体師の関連の資格にはどんなものがあるのでしょうか。
関連の資格は結構たくさんありますが、その中でも代表的な資格を4種類紹介します。
- 整体セラピスト資格
- ゆがみ矯正インストラクター
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
整体セラピスト資格
整体セラピスト資格は、民間資格で座学試験の合格によって取得が可能な資格です。
整体セラピスト資格取得のためには、整体技術や骨格・関節に関する知識はもちろんのこと、整体に関する歴史、骨格系のつくりと構造、神経系の成り立ち、脳のメカニズム、視覚や聴覚など五感をつかさどる器官の構造と特徴など、多岐にわたります。
セラピストとして開業するうえでの注意点や、施術にかかる料金設定に関することなど、実務的な面の知識も学ぶことになります。
資格取得後は、整体セラピストとして認定され、整体師としての仕事に就いたり、開業したり専属トレーナーとしての活躍の道が広がります。
ゆがみ矯正インストラクター
ゆがみ矯正インストラクターも民間資格の1つです。
ゆがみ矯正インストラクター取得の際には、主に整体のテクニック面の知識・技術の習得が必要になります。
整体施術に利用する機器関連の使い方や注意点、骨格や関節矯正するテクニック、症状別のテクニック、性別や年齢別のテクニックなどが該当します。
実践的な内容が多く、資格取得後はすぐに現場で働ける実践力を身に着けられる資格です。
ゆがみ矯正インストラクター資格は、座学試験に合格することで取得が可能です。
柔道整復師
柔道整復師は、柔道整復の施術を実施する際に必須の資格です。
柔道整復とは、打撲や捻挫、脱臼や骨折などの外傷に対して、手により直接的に行なう応急的・医療補助的行為です。
以上のようなけがに対する対処は治療に該当するため、無資格の方や民間資格しかもっていない方は、いかに経験豊富であっても施術はできません。
柔道整復師は国家資格で、取得するためにはハードルが高いです。
資格取得後は、開業したり専門のクリニックなどで勤務することになります。
また、柔道整復の施術は保険が適用されます。一般的な整体には保険が適用されないため、この点も大きな違いになります。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師も国家資格であり、取得するのは難しいです。
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得すると、あん摩やマッサージ、指圧、はり、きゅうの施術を実施できるようになります。
これらの施術は、民間資格取得者では実施できません。また、これらの施術に対しては保険が適用されます。
特におすすめの資格は?
柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は、柔道整復の施術やあん摩、鍼灸の施術をしたい場合は、必須の資格であり、専門的な医療補助行為が行えますが、資格取得までのハードルは高く、簡単ではありません。
整体師として従事するという点でいえば、これら国家資格を取得する必要はなく、民間資格で十分に活躍できます。
整体師の仕事に従事するうえでおすすめの資格といえば、以下の2種類が挙げられます。
これら資格を取得するためには、通常では定期的に実施される資格試験に合格する必要があります。
独学で学習して資格試験に臨むことも可能ですが、効率よく学びながらスムーズに資格取得ができるおすすめの資格講座があるので、紹介します。
- 整体セラピストW資格取得講座
- SARAスクールジャパン
整体セラピストW資格取得講座
整体セラピストW資格取得講座は、諒設計アーキテクトラーニングという業者が提供する講座です。
通信講座の形式で、自宅に居ながら学習を進められます。整体セラピスト資格とゆがみ矯正インストラクターの2つの資格取得が可能な講座になります。
受講期間は6か月ですが、最短2か月で課題をこなすことも可能です。
通常講座とスペシャル講座の2種類が用意されていますが、断然スペシャル講座の利用をおすすめします。
<講座の種類>
講座種類 | 受講料 | 特徴 |
通常講座 | 59,800円(税込) | ー |
スペシャル講座 | 79,800円(税込) | 卒業と同時に無試験で資格取得となる |
スペシャル講座を卒業すると、無試験で2つの資格が取得可能です。
通常コースよりも2万円料金が高いのですが、通常の資格試験を受験すると1回当たり1万円かかるので、実質的に料金負担は同じです。
効率的に資格の内容を学習しながら、スムーズに資格取得ができるスペシャル講座をぜひ活用してみてください。
SARAスクールジャパンの通信講座
SARAスクールジャパンという通信講座専門の業者も、整体関連資格の学習講座を用意しています。
整体セラピスト資格とゆがみ矯正インストラクター資格の2つを取得可能です。
通信講座の形式で、完全に在宅で学習を進め、実践的な知識を得られます。
こちらも2種類の講座が用意されています。
<講座の種類>
講座種類 | 受講料 | 特徴 |
基本コース | 59,800円(税込) | ー |
プラチナコース | 79,800円(税込) | 卒業と同時に無試験で資格取得となる |
利用するなら、断然プラチナコースがおすすめです。通信講座卒業と同時に2つの資格が自動的に取得できます。
基本コースよりも2万円高いですが、通常の試験受験にはそれぞれ1万円がかかるので、実質的な費用負担は同額となります。
整体師を目指すのなら資格を取得しよう
整体師として活躍するためには、向上心と奉仕精神をもって患者に相対し、コミュニケーションをスムーズにとっていくことが必要になります。
自身の性格を考慮して、適性があるかどうか判断しましょう。
整体師になるには、資格は必須ではありませんが、現実的には資格取得を強く推奨します。おすすめの資格は、以下の2種類です。
- 整体セラピスト資格
- ゆがみ矯正インストラクター
専用の通信講座を利用すれば、確実に取得が可能になっているので、ぜひ活用してみてください。
整体師として充実した生活を送るために、しっかりと学習をして資格取得を目指しましょう。