リンパケアセラピーとは、体のリンパ液の流れを熟知し、血流を改善し疲労回復などの目的での施術や緩和ケアなどのひとつとして用いられる技術です。
リラクゼーションサロンや医療の分野でも注目されているリンパケアセラピストは、体の根本からケアや癒しを与えられるスペシャリストと言えるでしょう。
リンパケアセラピストとは

ヨーロッパや欧米などでは医療現場でも利用されているリンパトリートメント。日本におけるリンパケアセラピストは、具体的にどのようなことが出来るのでしょうか。
1.そもそもリンパとは?
リンパとは体に張り巡らされている動脈や静脈といった血液の循環の他に、水分やタンパク質などの老廃物を心臓に向かって運ぶ役割をしてくれる「リンパ液」の流れがあります。
この「リンパ液が」流れる管を「リンパ管」と言い、血液と同じように全身に張り巡らされています。これが「リンパ」です。

このように体全体に張り巡らされているリンパは、私たちの体に直接影響してくるので、健康や美容にとってとても重要な役割を果たしているのです。
2.リンパの流れが悪くなると起こる体の不調
リンパの流れが悪くなると体に溜まった老廃物や余分な水分が溜まり、いわゆる「むくみ」の原因になります。
むくみの他にも、肩こりの原因や肌荒れ・便秘・肥満体質になりやすい・冷え性・免疫力の低下などの症状が現れるなど、慢性的に体が不調であるなどはリンパの流れが良くないことが原因となっていることも多く影響しているとも言われています。
そのためリンパの流れが悪くなると、体にさまざまな不調や変化をもたらしてしまうものと考えられています。リンパの流れを良くすることで代謝があがり、不調の改善に役立ちます。
3.リンパの流れを改善する方法とは
リンパの流れが悪くなる原因として、運動不足や水分不足・生活の乱れなどから起こる自律神経の乱れなどが挙げられます。
リンパの流れを改善に導くには適度な有酸素運動・食事や生活習慣の改善、ノンストレスを心がけることも重要です。
これらを意識するだけでも改善は見込まれますが、リンパケアを積極的にマッサージなどを通して行うことで、リンパの流れを改善するのに効果的とされています。
マッサージなどのリンパケアを行い刺激を与えることで、リンパの流れがよくなると言われています。そのためセルフケアマッサージでもリンパケアは可能です。



しかし、全身に広がるリンパのケアはセルフで行うのにも限界があります。
4.リンパケアセラピストの必要性
ヨーロッパなどでは医療現場でリンパトリートメントを保険適用で取り入れています。
日本ではヨーロッパのようにリンパトリートメント対して保険の適用はなく、またリンパトリートメントを導入している医療機関は少ないのも現状ですが、今後ますます必要とされる仕事のひとつではないでしょうか。
リンパセラピストは、医療機関などでは看護師や介護士等が行う緩和ケアの一環として、癒し目的でのリラクゼーションサロンでは専門分野として、リンパの流れを良くすることで、体の老廃物を流す効果を利用して施術を施し、様々な身体の問題を解決の方向へ向かわせるサポートをします。
またリンパセラピストは、エステティシャンなどの美容系にも役立つスペシャリストとして、さまざまな分野から求められています。
リンパケアセラピストになるには


リンパケアセラピストは、リンパに関する知識と体の仕組みについてなど総合的な知識を要します。
リンパケアに必要な知識とは
リンパケア施術で重要なことは「リンパ液を流す」ということです。そのために必要な知識や体の仕組みをしっかり知っていることがとても重要になります。
正しい知識で行わないと逆の方向にリンパを流してしまう原因になり得ません。また、体の不調の原因にもなる溜まった老廃物の排出がうまくいかなくなり、余計な負担がかかってしまうこともあるからです。
そのため、リンパケアは正しい知識を持って体のケアを行うことが重要であるため、施術技術はもちろん、体の仕組みについても詳しく知ることが必要です。
全身に張り巡らされたリンパの流れを専門的に学び、理解することで、より効果的に体の不調の原因や症状の改善に適したアプローチが可能となります。
リンパケアで神経や内臓・感覚器官などの体の仕組みを正しく知ることで、リンパケアによる本来の体のリズムの改善につなげられます。
また、リンパケアに施術の際に使うアロマオイルは、その組み合わせやトリートメント方法・施術部位などを症状別に知っておくことも、リンパケアには重要なエッセンスです。



リンパケアで得る知識は、セルフケアで使用するのか、サロンで働くことを目的としているのか、独立開業を目指しているのかなどでも違ってきます。
リンパケアセラピストの仕事内容と活躍分野


リンパケアセラピストは、このように今後ざまざまな分野での活躍が期待できます。
カウンセリングから不調を聞き出し改善していくことはもちろん、コミュニケーションの重要性やリラックスしてもらうこと、アフターケアなども重要になってきます。
看護師などの医療従事者等における緩和ケアのひとつとして
体の不調をリンパケア技術で癒しながら行い、患者の悩みや痛みに沿った施術をしていきます。不調の原因や悩みなどもカウンセリングから把握していき、適切な施術をしっかり行うことも重要になります。
即効性も期待できるリンパケアを正しい知識のもとで行うため、医学的アプローチとは違う方向から不調の改善をしていきます。



介護士や看護師など医療従事者のレベル・スキルアップのひとつとしてもおすすめです。
リラクゼーションサロン等セラピストのスキルアップとして
疲労回復や肩こりなど体のちょっとした不調で訪れる方の多いリラクゼーションサロン。
リンパケアという側面から、筋肉をほぐして癒していく普通のマッサージとはまた違ったアプローチで、体の不調や改善が期待できます。
また、訪れた人の癒しと不調改善のプロとしてのニーズも見込めます。
美容サロンのでのスキルアップとして
リンパについて正しく学ぶことで、施術する方の悩み改善に役立ちます。リンパは老廃物を排出を促す効果があり、体の不調だけでなく便秘解消・肌質改善・むくみに効果的とされています。
リンパは直接体へ作用してくることもあり、ダイエットや小顔効果も期待できると言われています。
女性の場合には、リンパが滞ることで起こる生理における諸症状の改善も大いに期待できるとされています。
リンパケアは、さまざまな体調改善に良い作用をもたらし、導いていきます。



リンパを正しく理解することで美容へと繋がるのでニーズも高まっていると言えるでしょう。
日常生活における体質改善目的として
日常生活を送る中で、肩こり・頭痛・便秘・冷え性・肌荒れなどの不調を感じている方は多いのではないでしょうか。
慢性的な不調にもなりやすいこれらの症状には、リンパの流れを改善するだけで大きく影響してくるとも言われています。
リンパケアを学ぶことはプライベートでも十分に生かせるスキルです。家族の毎日の健康管理にも一役かってかってくれることでしょう。
リンパケアセラピストに向いている人


では、リンパケアセラピストに向いている人とはどのような人なのでしょうか。
どの場面でリンパケアセラピストが役に立ち、どのようなタイプの方に活躍の場があるのかみていきましょう。
- 体の不調や体質改善など個々の悩みをリンパケアでアプローチしたい方
- 医療緩和ケアの一環として学びたい方
- リラクゼーションサロンやマッサージサロン、美容関係の仕事に就いている方でスキルアップをしたい方
- リンパケアセラピストに興味のある方
- サロン開業を目指す方
- 介護等をされている方
- 日常生活でのセルフマッサージを正しい知識で行いたい方
- サロンスクールの講師として活躍したい方
- 体の不調を根本的観点から学びたい方
- 会話が好きな人など接客が好きな人
- 相手の気持ちを汲み取れる人
など
リンパケアセラピストの代表的な資格
リンパケアの仕事をする上で資格を得ていることで、より専門的な観点から、施術を受ける側からの信頼感にもつながり、就職または独立開業時・講師など行う際にもその効果は及びます。
では、リンパケアセラピストに関連する資格にはどのようなものがあるのでしょうか。資格は国家資格が最も権威のあるものとされています。しかし、リンパケアに関しての国家資格は存在しません。
リンパケアセラピストについては、資格は民間資格のみとなっています。
リンパケアセラピストとして活躍するには、民間のリンパケアセラピスト資格を取得することや講座カリキュラムを修了後の試験での取得などがあります。
リンパケアセラピストの資格取得にはいくつかの民間団体が存在しており、それぞれ試験の内容や難易度も変わってきます。



在宅での受験が可能なものから講座修了で資格取得できるものなど、講座によって異なりますが、資格全体で考えて、資格取得はそれほど難易度が高いわけではありません。
1. リンパケア・リンパドレナージュ


リンパケア・リンパドレナージュはリンパケアの主な資格です。基本知識としてリンパの流れや体全体の知識を深めてきます。
リンパの流れをよくする食事やヨガやストレッチなども一緒に学べるものもあります。
資格取得には日本メディカル心理セラピー協会の「リンパケアセラピスト資格」や日本インストラクター技術協会「むくみ改善インストラクター資格」などがあります。
2. 医療系リンパケア
リンパケア資格の中には医療系の資格も存在しています。医療的側面からリンパケアを行いたい方や医療現場などで緩和ケアを行いたい方は、こちらの資格を選ぶと良いでしょう。
「リンパ浮腫」に対して医師の診断・指示に基づき生活指導から保存的治療を行える日本医療リンパドレナージ協会認定「医療リンパドレナージセラピスト」などがあります。
医療系リンパケア資格は運営母体によりますが、医師・看護師などの医療従事者・作業療法士・理学療法士・あん摩マッサージ指圧師など、すでに資格を持った人が対象となる場合もある民間資格です。
3. 美容系リンパケア
小顔や痩身・部位別など、美容に特化した資格や講座などもあり、目的に合わせたリンパケア資格も豊富なのが美容系リンパケアです。
すでに美容系サロンやセラピストとして働いてる方は+@のスキルアップとして学んだり、認定資格取得だけではなく独立開業やサロン講師などを目指し、サポートしてくれる資格認定の民間団体での資格取得など、選ぶポイントが多いのも美容系リンパケアです。
4. 整体・ツボ系リンパケア
整体やツボを一緒に学びリンパケアと組み合わせて学べる資格や講座もあります。
整体やツボの資格も一緒に取得することで施術に関して知識の広がりとバリエーションの豊富さなどもあり、リラクゼーションサロンなどで、より悩みに沿った施術を提供できるでしょう。
日本リンパ整体協会認定「リンパ整体師」や経路リンパマッサージ協会認定「経路リンパマケアセラピスト」インターナショナル美容鍼灸協会認定「オリエンタルリンパドレナージュセラピスト」などがあります。
5. ペット系リンパケア
リンパケア資格の中にはペットに関する資格も存在しています。ペットサロンなどペットに関する仕事であればペット系のリンパケア資格取得も良いのではないでしょうか。
日本ペットマッサージ協会が認定「アニマルリンパマッサージ」はペットマッサージのスペシャリストとしてペット業界の仕事で生かせる資格でしょう。
おすすめの資格取得方法


リンパケアセラピストの資格を取得する上で重要なことは、「リンパケアセラピストの資格をどのように生かしていきたいのか」ということです。
資格取得に際して一定の知識がある場合に、試験だけを受けられるものと、資格取得に直結した講座の受講を必要とするものもあります。



リンパケアセラピストは民間資格のため、運営母体がいくつもあります。自分の学びたい内容や取得したいものなどを見極めて資格取得を目指しましょう。
資格試験
リンパケアセラピストは資格を受験するのに特に受験資格がなく、一定の知識があれば資格試験の受験が可能なものがあります。
JAAMP日本メディカル心理セラピー協会認定 リンパケアセラピスト
リンパケアセラピストとして、効果を最大限に引き出すケアや症状別リンパケア、リンパの滞りを解消してくれる食材など、リンパケアの総合的知識を深めたい方におすすめの資格です。
日本インストラクター技術協会認定 むくみ改善インストラクター
リンパの流れが悪くなってしまう原因から体への影響などの基礎から、ヨガやストレッチ・睡眠・入浴・ツボなどを学び日常生活の中でも可能なリンパケアの知識を深める資格。
取得後に「むくみ改善インストラクター」としてカルチャースクールなどの講師活動もできる資格です。
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