薬膳調整師は、普段の食卓などに薬膳を取り入れていく方法を教えるお仕事です。
日々の生活をより健康的におくるために、食生活の見直しが重要と言う認識が高まっている今の社会において、薬膳料理は特定の専門店のみならず、ご家庭においてもその需要は増えていくでしょう。
薬膳調整師について知りたいと思っている方に、必要な資格やどんな仕事内容なのかといったことをご紹介します。
薬膳調整師はどういった仕事なのか
薬膳調整師は薬膳の知識をどう料理に取り入れていくかなどを実践・提供したり、伝授する仕事です。
美容と健康に良いと言われ、近年注目を集めている薬膳ですが、「難しそう」「副作用が心配」「まずそうなイメージ」といった印象を持っている方もいると思います。
そういった方にも安全で美味しい薬膳料理を教えられるのが薬膳調整師です。
薬膳=漢方、漢方=漢方薬と思われがちですが、薬膳と漢方、漢方と漢方薬は違うものです。
もちろん薬膳には漢方薬を使ったものもありますが、薬効のある食材で作るのが薬膳です。
したがって薬膳は薬臭いということもなく、おいしい料理なのです。
薬膳は決して特別な物ではありません。わたしたちの身の回りには昔から薬膳の知識が生活の知恵として息づいています。
薬膳は大きくわけて、温性食品、凉性食品、中薬という3つのカテゴリに分られます。
「冬至にかぼちゃを食べる」というのは、食べると体を温められるかぼちゃを冬の寒い時期に食べることで寒さを乗り切るという温性食品の知恵です。
デザートとして有名な杏仁豆腐に使われる杏仁は鎮咳作用、去痰作用のある中薬です。
そういった基本的な知識から、さらに専門的な食品や中薬の知識まで理解し、料理に取り入れていけるスキルを持ち、レクチャーできるのが薬膳調整師です。
人に教える、提案するといったことは、自分に自信がなければ不可能で、また人を納得させられません。
薬膳調整師は裏打ちされた確かなその知識と技術で、自信をもって人を導けるのです。
薬膳調整師になるために求められること
薬膳調整師になるためには、薬膳の基礎知識や食材の効能の知識などの知識を正確に身につけることはもちろん、それをしっかりと料理に反映させる技術も必要になります。
また身につけた知識や技術を人に伝え、教えられなくてはいけません。
知識を学び、技術を身につけ、それを伝授できるまで昇華させられた人が薬剤調整師になれるのです。
薬膳を知り、薬膳を作り、薬膳を伝える、まさに薬膳のスペシャリストといえるでしょう。
薬膳調整師はどんな仕事をするのか、その活躍分野は
薬膳調整師が活躍するのは食に関わる分野です。
では具体的にはどういった場所でその力を発揮できるのか、どういった仕事を求められるかを詳しくご紹介します。
料理教室
料理教室やカルチャースクールでは、薬膳の知識を反映した美味しくて健康に良い食事について講義をしたり、実践を通してそのスキルを伝授することが主な業務内容になります。
敷居が高いと思われがちな薬膳を、毎日の食事に無理なく上手に盛り込む方法や薬膳料理のレシピなどを教え、実習します。
その時の体の不調を治すのみならず、体質改善や根本原因を取り除くためには、日常的な取り組みが必要になってきます。そのため、ご家庭で薬膳を実践したいと思っている方は多いと思います。
そういった方々に求められているのが薬膳調整師なので、需要の高い分野といえるでしょう。
飲食業界
レストランやホテルのキッチンなどでも薬膳を取り入れた料理を提供するところが増えています。
そういった飲食業界で、薬膳料理の提案や調理ができる薬膳調整師のスキルが要求されるでしょう。
調理師免許を持っている方がさらなるスキルアップを目指して薬膳調整師の資格を取得するケースもあるようです。
食品メーカー
現在、食品メーカーでは健康志向の食品開発に取り組んでいる企業も増えています。
普段の生活と切り離す事の出来ない食の世界だからこそ、健康的な食事を求める声が高いのです。
そうした企業にとって、薬膳調整師の知識とスキルは大きな力となれるのです。
薬膳をより身近に、手軽に誰もが活用できるように、より多くの消費者に届けるため、食品メーカーでの商品開発やアイディアの提案に薬膳調整師のスキルを活かせる場面は多いです。
食品通販業界
最近、通販業界では健康食品として、薬膳料理や材料の通信販売を行っているところが多く見られます。
ご家庭で温め直すだけで手軽に楽しめる薬膳料理や、薬膳料理を作るための材料のキットなど、多くの商品をインターネットなどから簡単に注文できます。
そうした事実からも薬膳への注目度の高さがうかがえます。
料理の開発や薬効食品の組み合わせ、季節に合わせた食材のアドバイスなど薬膳調整師が必要とされるシーンは多いでしょう。
独立
薬膳調整師として知識とスキルを身につけ、さらに人に伝授できるだけの力を持つことによって、独立しての仕事も可能です。
自宅やレンタル施設で講義を開いたり、実習をすることで薬膳を広める指導者としてそのスキルを大いに活用できます。
自分のペースで仕事をしたい方に向いています。
薬膳調整師が活躍するのは仕事の場だけではありません。
自身の家庭においても自身やご家族の健やかな生活を守るために薬膳調整師の技術が助けとなります。
薬膳調整師に向いているタイプ
薬膳調整師になるには資格を取得すればどなたでもなれますが、だからといってそれだけで現場で大きな功績を残せるわけではありません。
実際の現場で活躍するためには、資格以外にやはり薬膳調整師として向いているのかどうかという適正が大きく関わってきます。
ではどういったタイプの人に向いている職業なのかをまとめてみました。
健康不安を抱く人の中には、自分の症状を的確に伝えられる人ばかりいるわけではありません。
特に専門家などに相談する際には、緊張してしまったり、きちんと話をしなければと焦ってしまい、かえって正確な情報を伝えられない人もいます。
したがって、相手の緊張を解き、話しやすい雰囲気を作りだしてできるだけ正確な情報を聞きだせる、対話力、コミュニケーション能力の高い人に向いているといえます。
また、不調の原因には複数の要因が絡んでいる場合もしばしばあります。ひとつの物事に囚われず別の目線からもアプローチできることが大切です。
つまり、総合的に判断できる能力を持つことが大切になります。
薬膳、漢方の知識があれば、相談相手に合った料理を提供、提案できます。しかし料理というのはそれだけでいいわけではありません。食の好みに応じたおいしいと感じてもらえる料理を作りだす必要があります。
そのため、発想力、創造力がある人に向いています。
食品開発の現場などでは、はっきりと自身の意見を述べることができ、またその意見の根幹となる裏付けを説明できなくてはいけません。
したがって発言力や説得力が必要となるでしょう。
まとめると以下のような人に向いているといえます。
- 対話力、コミュニケーション能力の高い人
- 総合的な判断能力のある人
- 発想力、創造力が豊かな人
- 発言力、説得力が高い人
逆に、すぐに答えを求める人や、断定的な見方しかできない、話せない人、模倣しかできない人、消極的で人に流されやすい人には向いていないといえます。
薬膳調整師になれる資格にはどんなものがあるのか
薬膳調整師になるための薬膳、漢方に関わる資格はいくつもあります。ではどんな資格があるのか、代表的なものをいくつか説明します。
薬膳調整師
薬膳調整師は日本安全食料料理協会(JSFCA)で認定される民間資格です。
資格取得には薬膳調整師資格認定試験において、70%以上の評価をうける必要があります。
薬膳調整師資格認定試験は毎年、偶数月に年6回行なわれており、受験資格も特に必要とせず、自宅での在宅受験であることから、開かれた資格試験になっています。
しかし、試験に合格するためには、 薬膳の基礎知識から五味、帰経、食養生などの専門的な知識の習得まで求められるので、しっかりとした正確な知識を学ぶ必要があります。
この資格を取得した人は、薬膳の基礎知識を持ち、体調体質にあわせた選定選別ができる、生薬や食材が体のどこに影響するか理解している、食材の性質や効能を理解していることなどが証明できます。
医食同源という言葉もあるように、医療に使われる薬と食べ物は本来根源を同じくするものという考えの元、食事によって健康を保ち、病気を予防することは古くから広く用いられてきました。
薬膳調整師は医食同源を実践できる、歴史と実績のある薬膳を体得、伝授できる注目度急上昇の資格です。
漢方コーディネーター
漢方コーディネーターも日本安全食料料理協会(JSFCA)で認定される民間資格です。
受験資格、受験方法などは薬膳調整師と同様です。
この資格を取得すると、漢方や漢方薬の基本的な知識、漢方で独自に用いられる診断方法や休養の方法などへの理解を一定以上有していることが証明できます。
人の体は「「気」「血」「水」で構成されているという漢方の考え方や漢方の歴史・漢方の思想まで幅広い知識を問われます。
漢方は西洋医学とは違い、病気を治すだけではなく、体質改善や根本治療、病気の予防にもなるため、より多くの人に求められる知識、技術です。
国際中医師
国際中医師とは、中国政府・衛生部の関係機関である、世界中医薬連合会が主催、認定する国際資格です。
国際中医師の資格は世界61の国と地域で開催している国際中医師試験に合格する必要があります。
国際中医師試験の受験資格は中医学アカデミーにおいて定められた3つの講座の内のいずれかの講座を修了し、「中医臨床総合課程修了証書」を授与されることです。
この資格は中国で国家資格になっている中医師に相当する知識を有している、中医学の専門家であると認められた世界規模の資格になります。
認定試験は日本では毎年東京で2日間にわたり開催されています。
この資格では、中医学の理論を習得している、またその理論を臨床に活かせる、中医学の診断ができ、加療する能力を有しているなどを証明できます。
現在、日本では国際中医学資格での医療行為はできませんが、アレルギー科などでは漢方を取り入れた治療をしている医療現場もあります。
医師や薬剤師が治療の幅を広げるために資格取得をする場合もあるようです。
薬膳マイスター
薬膳マイスターは、和漢薬膳食医学会が認定する民間資格です。
正式名称は「和漢薬膳師」といい、受講期間が約4か月となる薬膳マイスター養成講座を受講して修了認定試験に合格することで資格を取得できます。
講座では4回の課題提出があり、4回目の課題が修了認定試験になります。
この資格は、和漢膳を究めたものとして、薬膳の基本、食材と生薬の種類や効能、個人の体質の見極め方と季節に合わせた薬膳などの知識を有していることを証明できます。
和漢とは中国の漢方を起源として、日本で開発された漢方生薬も含む、日本で発展した漢方です。
薬膳料理アドバイザー
薬膳料理アドバイザーは、日本中医学院が監修している養成講座を履修することで取得できる民間資格です。
薬膳の初歩的な知識を学ぶ講座のため、初心者でも安心して受けられる講座です。
特別な材料を使わなくても身近にある手に入りやすい日常的な食材を使った薬膳料理を作れるようになります。
この資格では体質や症状、年齢などに合わせた薬膳料理を作れる、帰経理論を把握しているなどが証明されます。
薬膳料理アドバイザーの資格を得ることで、上位の薬膳資格を受験できるようにもなります。
あくまで入門編といった、初心者用の資格なので、この資格のみで活躍できる場はあまり多くありません。
仕事に活かしたい人は上位の資格を狙った方が良いでしょう。
おすすめの資格はこちら
国際中医師の資格は、国際的に認められている資格なので、信用度としてはとても高い物です。
日本では漢方や薬膳に関する国家資格は現在ないので、日本で取得できる資格の中では一番上に位置付けられる資格だといえるでしょう。
しかし、国際中医師の資格を取得するためには、特定の講座を長期間にわたり受講しなければならず、その受講料もかなりの高額になります。
受験も年に1回、東京のみで2日間にわたり開催されるため、地方からの受験はかなり大変です。
したがって、あまり現実的な資格とはいえません。
もっと現実的に役立つ資格が取りたい人におすすめなのがつぎの資格です。
- 薬膳調整師
この資格には、受験資格が定められておらず、在宅受験で資格を取得できるため、自分の状況や都合に合わせて受験できるのがとても魅力となっています。
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プラチナコース | 6ヵ月(最短2ヵ月) | 5回+卒業課題1回 | 79,800円(税込み) |